□ こばの屁理屈 - BSE問題を茶化す(た?) -

 米産牛肉の輸入が再開されそうな今日この頃、10月の関連記事を眺めていると、強気な米国と弱気な日本が見えてきます。以下でasahi.comの記事を紹介して、それぞれにコメントしていこうと思います。

++ 記事1:米産牛肉の輸入再開 米政府・業界、歓迎の声明(10月5日)
 日本政府が早ければ年内にも米国産牛肉の輸入を再開する見通しとなったことについて、米政府と米業界団体は、歓迎すると同時に、早急に具体的手続きを進めるよう強く求めた。米国食肉協会(AMI)は期待感を示す一方、日米が輸入再開で基本合意してからすでに1年近く過ぎているため「実際に日本の食卓に載るまでは安心できない」と、今後の動きを注視する。

+コメント
 わたくしは「実際に日本の食卓に載ったら安心できない」、そんな気がします。

++ 記事2:官房長官が「歓迎」 米国産輸入牛肉再開(10月5日)
 細田官房長官は5日午前の記者会見で、米国産牛肉の輸入問題で食品安全委員会プリオン専門調査会が「(生後20カ月以下なら)食肉への汚染の可能性は非常に低い」としたことについて、「政府として歓迎している。できるだけ早期にこの問題は解決していきたい」と語った。再開時期については「あくまでプリオン調査会での科学的分析、決定を尊重していく。

+コメント
 恐いですものねBSE。いえいえ、もっと恐いのはアメリカ。肉の安全性より日米関係の方が問題ですよね、官房長官。

++ 記事3:対日制裁を米政府に要請 牛肉問題で上院議員ら(10月8日)
 米上院のロバーツ議員(共和党)は7日、日本の米国産牛肉の輸入再開が遅れていることに対して経済制裁を科すよう求める書簡を、20人の上院議員とともにポートマン米通商代表部(USTR)代表に送ったと発表した。書簡を送ったのはカンザスやコロラドなど畜産が盛んな州の選出議員ばかりで、「日本が不当な貿易障壁を維持するためにこの問題を使っているのは明らかだ」などとしている。

+コメント
 ロバーツ議員は地元で得票率極大化するためにこの問題を使っているのは明らかだ。

++ 記事4:英からの救援非常食「BSE心配」 米で1カ月以上放置(10月18日)
 米国南部に今年8月、大きな被害をもたらした大型ハリケーン「カトリーナ」の被災者救援のため、英政府が送った非常食33万食分が、たなざらしになっている。米国での流通が禁止されている英国産の牛肉が含まれていることが理由だ。米政府は、牛海綿状脳症(BSE)への心配から英国産の牛肉の流通を禁止しており、被災地でも例外を認めなかった形だ。

+コメント
 ロバート議員はこれをどのように見ているのでしょうか。もし「米国が不当な貿易障壁を維持するためにこの問題を使っているのは明らかだ」と言っていたら尊敬します。

++ 記事5:米国産牛肉輸入再開に「反対」67% 本社世論調査(10月25日)
 米国産牛肉の輸入が年内にも再開される可能性が高まるなか、輸入再開に反対の人が67%で、賛成は21%にとどまることが、朝日新聞社が22、23日に実施した全国世論調査で明らかになった。昨年10月の調査のほぼ同じ質問に対する「反対」(63%)を上回る。「国産牛と同等の安全性」を焦点に政府の食品安全委員会での審議が大詰めを迎えているが、消費者の不安はなお根強いといえそうだ。

+コメント
 たぶん、吉野家の前で調査をすれば賛成多数になると思われます。

++ 記事6:日本が牛肉輸入再開せねば報復関税 米上院で法案提出(10月27日)
 米上院の超党派の議員21人は26日、日本が今年末までに米国産牛肉の輸入を再開しなければ、日本製品に総額31.4億ドル(約3600億円)の報復関税を課すよう米政府に求める制裁法案を、議会に提出したと発表した。関税の額は、日本の輸入禁止で米国の肉牛業界が被った損害に相当するとしている。対象品目の選定は米財務省にゆだねる。

+コメント
 まさにペリー来航ならぬロバーツ来航です。

++ 記事7:米産牛の輸入解禁、広く意見募集 食品安全委(11月2日)
 『食品安全委員会は2日、米国・カナダ産の牛肉と、日本の牛肉の安全性について「科学的同等性の評価は困難」としながらも、輸入条件が守られれば、「リスクの差は非常に小さい」としたプリオン専門調査会の答申原案を了承した。29日まで、一般から意見を募集し、同委員会で政府への答申をまとめる。それを受けて政府は12月にも輸入再開に踏み切る見通しだ。』

+コメント
 食品安全委員会は一般からの意見で輸入反対多数だったら輸入再開は見送る答申をまとめ、政府は輸入再開を見送るのでしょうか。素晴しい世の中になったものです。

 弱気な日本と強気な米国、この構図はいつまでたっても変わらないのでしょうか。外交されている方々にはもう少し頑張ってほしいものです。

文責:小林

トップページに戻る
copyright(C)All rights reserved. 2005 7th teramoto.